退職代行の「弁護士・労働組合・民間」の違い|できることと料金の考え方

本記事にはプロモーション(アフィリエイトリンク)が含まれます。広告収益がどのサービスを取り上げるかに影響する可能性はありますが、比較の基準と評価は各社の公式情報・公的資料に基づいて独自に決めています。 詳しい広告表記はこちら。

退職代行を調べ始めると、同じ「退職代行」という名前で 弁護士が運営するもの、労働組合が運営するもの、 民間事業者が運営するものの3種類が並んでいることに気づきます。 料金だけを見ると民間事業者が安く見えますが、3つは法律上できることの範囲が違います。

この記事では、その違いを「どこが運営しているか」ではなく 「会社に対して何ができるか」で整理します。

黒い革のソファと椅子が置かれた、事務所のロビー

結論: 違いは「交渉できるか」「訴訟まで対応できるか」

弁護士労働組合民間事業者
退職の意思を会社に伝えるできるできるできる
会社との交渉(有給・退職日など)できる団体交渉権に基づいてできるできない(非弁行為にあたるおそれ)
未払い賃金などの請求・訴訟対応できるできない(別途弁護士が必要)できない
料金の傾向高め中間低め
確認しておきたい点対応範囲と着手金・成功報酬の内訳組合費の要否と交渉の実績交渉をうたっていないか

「退職の意思を伝えるだけ」で足りるのか、「有給の消化や退職日について会社と話す必要がある」のか。 ここが分かれ目になります。

退職代行の依頼先を選ぶ分岐図。退職の意思を伝えるだけで足りるなら弁護士・労働組合・民間事業者のいずれでも可能、有給や退職日を会社と調整したいなら労働組合または弁護士、未払い賃金の請求や訴訟まで視野に入るなら弁護士
会社に対して何が必要かで、選べる依頼先が変わります。

料金の安さから逆算して決めると、途中で対応範囲の壁にぶつかります。 運営主体・料金・対応範囲・表示の姿勢という 申し込み前に確認する4つの軸で先に絞ってから、 上の図に当てはめてみてください。

退職代行を申し込む前に、運営主体、料金、対応範囲、表示の姿勢の4つの軸で絞り、料金の安さだけから逆算しないことを示す図

民間事業者と非弁行為

弁護士でも労働組合でもない事業者が、依頼者に代わって会社と交渉を行うと、 弁護士法が禁じる非弁行為にあたるおそれがあります。 民間事業者が適法に行えるのは、原則として「本人が退職の意思を持っていることを会社へ伝える(通知する)」ところまでです。

書棚にぎっしりと並んだ古い蔵書

そのため、料金の安さだけで選ぶ前に、その事業者が 交渉できるかのような表現を使っていないかを公式サイトで確認しておくと安全です。 「会社と話をつける」「有給を勝ち取る」といった表現が並んでいる民間事業者は、 自分ができる範囲を超えた説明をしている可能性があります。

民間事業者は退職意思の通知まで可能で、有給や退職日の交渉、未払い賃金の請求や訴訟対応はできず、交渉できるような表示は公式サイトで確認する図

公式サイトのどこを見れば運営主体・総額・対応範囲を確認できるかは、 退職代行のデメリットと業者選びのチェックリストに 項目ごとにまとめました。即日で退職できるケース・できないケースの整理も同じ記事にあります。

労働組合が交渉できる理由

会議室のベージュ色の木製テーブル

労働組合には団体交渉権があり、組合員のために会社と直接交渉することが認められています。 退職代行を運営する労働組合は、利用者に組合員になってもらったうえで交渉を行う形をとるのが一般的です。

一方で、訴訟の代理はできません。 未払い賃金や損害賠償など、最終的に裁判での解決が視野に入る場合は、 はじめから弁護士に相談したほうが手戻りが少なくなります。

交渉の出番になりやすいのが、離職票や源泉徴収票の交付が滞ったときのやり取りです。 何をいつ受け取ることになるのかを先に把握しておくと、 滞っているのか通常の待ち時間なのかを自分で判断できます。 退職後に会社から届く書類の一覧にまとめました。

そもそも交渉が必要になるかどうかは、自分の有給の残日数と希望する退職日が分かってはじめて判断できます。 残日数の確認から退職日の逆算までの手順は 有給休暇を消化してから辞める進め方にまとめました。

有給残日数を確認し、希望退職日を決め、会社との調整が必要かを判断して、通知だけで足りるか交渉が必要かを切り分ける3ステップ図

そもそも代行を使わずに済むか

メモ帳とペン、眼鏡が置かれた机の上

会社へ自分で退職を伝えられるなら、費用も手戻りもかかりません。 言い出せない理由の切り分けと、上司への切り出し方の例文は 辞めたいけど言えない・怖いときの整理と切り出し方の例文にまとめています。 そちらを読んだうえで難しいと感じた場合に、この記事の3種別の比較へ戻ってきてください。

自分で伝える場合も、先に有給の残日数を数えておくと、切り出す場で日程まで示せます。 交渉らしいやり取りを発生させずに済むことも多いので、 残日数の確認から退職日を逆算する手順を先に済ませておくと動きやすくなります。

なお、どの種別に依頼する場合でも、貸与物の返却、離職票や源泉徴収票の受け取り、 健康保険と年金の切り替えは依頼者本人に残ります。 退職後に何が必要になるのかは 退職手続きの全体の流れとチェックリストで確認できます。

運営主体を確認できたサービス

当サイトで個別のサービスを紹介するのは、運営主体(弁護士/労働組合/民間)を 公式ページで確認できたものに限ります。ここに挙げるのは、上の表のどこに当てはまるかが はっきりしているサービスです。順番は当サイトによる優劣の評価ではありません。

弁護士が運営弁護士法人ガイア総合法律事務所の退職代行。 公式ページに弁護士法人による運営であることが記載されています。表の左端の列に当てはまるため、 交渉が必要になった場合も依頼先を変えずに進められる位置づけです。

労働組合が運営 — 退職代行toNEXTユニオン。公式ページに合同労働組合が実施する旨が記載されています。 男性向けの男の退職代行と、 女性向けのわたしNEXTは、 入口が分かれているだけで同じ労働組合が運営しています。団体交渉権にもとづく交渉はできますが、 訴訟の代理はできません。

民間事業者 — 現時点で紹介できるサービスはありません。 この記事で説明したとおり、民間事業者が適法にできるのは退職意思の通知までで、 交渉が必要かどうかが事前に読めない場合は選択肢から外れやすいためです。

料金・対応範囲・キャンペーンは各社が個別に定めており変更されます。 上のリンク先の公式ページで、申し込み前に最新の記載を必ず確認してください。

よくある質問

弁護士・労働組合・民間で、退職できる確率は変わりますか。

結果を保証できるサービスはどの種別にもありません。違うのは「会社が退職日や有給について協議を求めてきたときに、そのまま話を進められるかどうか」です。会社側と調整が必要になりそうな事情(引き継ぎの指定、貸与物、退職日をめぐる主張の食い違いなど)が想定されるなら、交渉できる主体を選んでおくと途中で依頼先を変えずに済みます。

料金が安い民間事業者を選んでも問題ありませんか。

退職の意思を伝えるだけで完了する見込みなら、民間事業者でも目的は果たせます。判断の分かれ目は料金ではなく、交渉が必要になる可能性があるかどうかです。交渉が必要になった場合、民間事業者では対応できず、あらためて弁護士や労働組合に依頼し直すことになります。

未払いの残業代も一緒に請求してもらえますか。

請求や訴訟の代理ができるのは弁護士だけです。労働組合は交渉はできますが訴訟の代理はできず、民間事業者はどちらもできません。金銭の請求まで視野に入っているなら、最初から弁護士に相談する前提で費用を比べるのが現実的です。

当サイトで個別の相談はできますか。

できません。当サイトはサービスの比較と手続きの情報提供を行うもので、個別の事情に対する法的な判断はできません。契約内容や会社とのやり取りについて判断が必要な場合は、弁護士・労働組合・労働基準監督署などの窓口へご相談ください。

まとめ

料金や対応範囲は各社が個別に定めており、変更されることもあります。 申し込みの前に、必ず各サービスの公式サイトで最新の記載を確認してください。