退職時に会社から受け取る書類一覧|発行元・届く時期・使い道を整理
退職時の書類は、すべてを退職日当日に会社から受け取れるわけではありません。 退職後に発行されるもの、会社が預かっていれば返してもらうもの、自分から請求するものに分かれます。 送付先住所と担当部署を確認し、書類ごとの期限を見ながら不足分を問い合わせましょう。
この記事では、退職時に受け取る主な書類について、発行元、届く時期、使い道、届かない場合の一般的な確認先を整理します。 退職前後の作業全体は、退職手続きの流れとチェックリストで確認できます。
本記事は一般的な制度の説明であり、個別の事案についての法律相談ではありません。 個別の判断が必要な場合は、お住まいの都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料)や弁護士にご相談ください。

退職時に受け取る書類は3種類に分ける
退職時の書類は、退職後に発行・交付されるもの、会社保管なら返却されるもの、請求して受け取るものの3種類に分けます。 「会社から受け取る書類」でも、実際の発行元がハローワークや日本年金機構である場合があります。

| 区分 | 主な書類 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 退職後に発行・交付 | 離職票、給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票(該当者) | 退職後に会社側の手続きが必要。退職日当日の受領を前提にしない |
| 会社保管なら返却 | 雇用保険被保険者証、年金手帳・基礎年金番号通知書 | 自宅にある場合もあるため、手元と会社の保管状況を確認する |
| 請求して受け取る | 退職証明書 | 必要な証明事項を考えたうえで会社へ請求する |
出典:大阪ハローワーク「従業員に関する雇用保険の各種お手続き」、ハローワーク名古屋南「雇用保険被保険者証とは」、e-Gov法令検索「所得税法」第226条、e-Gov法令検索「労働基準法」第22条、日本年金機構「基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について」(いずれも2026年8月9日確認)。
離職票はハローワークが交付し、雇用保険被保険者証や年金手帳は会社保管なら現物が返却されます。 退職証明書は、労働者が請求して受け取る書類です。
書類を受け取る前に会社へ確認する3点
退職後の行き違いを減らすには、送付先住所、担当窓口、書類ごとの受け取り方を退職前に確認します。 口頭だけでなく、自分用のメモに残しておくと、届かないときにどこへ確認するか判断しやすくなります。
- 後日送付する住所 — 退職後に転居する場合は、会社が把握している住所と実際の送付先が一致しているか確認する
- 会社側の担当窓口 — 人事・労務・給与など、書類別の問い合わせ先と連絡方法を控える
- 受け取り方の区分 — 退職後に交付される書類、会社保管なら返却される書類、自分から請求する書類に分けてメモする
特に離職票と源泉徴収票は後日になるため、発送予定と送付先の確認が必要です。 雇用保険被保険者証や年金手帳は自宅にある可能性もあるので、会社へ問い合わせる前に手元も探しておきましょう。
主な書類の発行元・期限・使い道一覧
先に全体像を示します。 期限の数字が「会社の届出期限」なのか「本人への交付期限」なのかを分けて見てください。

| 書類 | 発行元 | 期限・時期 | 使い道 |
|---|---|---|---|
| 離職票 | ハローワーク | 事業主の届出は被保険者でなくなった日の翌日から10日以内。本人への到着期限とは別 | 失業給付の手続き |
| 雇用保険被保険者証 | ハローワーク(事業所経由) | 会社保管なら退職時に返却を確認 | 被保険者番号の確認、次の勤務先での手続き |
| 給与所得の源泉徴収票 | 会社 | 年の途中の退職者は退職日以後1か月以内 | 転職先での年末調整、確定申告 |
| 退職所得の源泉徴収票 | 会社 | 退職手当等を受ける人は退職日以後1か月以内 | 退職手当等と源泉徴収税額の確認 |
| 書類 | 発行元 | 期限・時期 | 使い道 |
|---|---|---|---|
| 退職証明書 | 会社 | 労働者の請求があれば遅滞なく | 退職の事実や請求した事項を示す |
| 年金手帳・基礎年金番号通知書 | 日本年金機構 | 会社が保管している場合は退職時に返却を確認 | 基礎年金番号の確認 |
出典:大阪ハローワーク「従業員に関する雇用保険の各種お手続き」、ハローワーク名古屋南「雇用保険被保険者証とは」、e-Gov法令検索「所得税法」第226条、e-Gov法令検索「労働基準法」第22条、日本年金機構「基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について」(いずれも2026年8月9日確認)。
離職票の10日以内は本人への到着期限ではない
離職票とは、正式には雇用保険被保険者離職票といい、失業給付の手続きで使う書類です。

会社が発行するのではなく、事業主の届出を受けたハローワークが交付します。
誰が発行し、いつ届くのか
事業主は資格喪失届と離職証明書をハローワークへ提出し、交付された離職票が通常は事業所を経由して本人へ渡ります。
大阪ハローワークの雇用保険手続き案内が示す「被保険者でなくなった日の翌日から10日以内」は、事業主の届出期限です。本人への到着期限ではありません。
出典:大阪ハローワーク「従業員に関する雇用保険の各種お手続き」(2026年8月9日確認)。

退職日はまだ在籍中なので、退職日当日の受領も前提にできません。 届かない場合は会社へ届出状況と送付先を確認し、状況が分からなければ住所地を管轄するハローワークへ問い合わせてください。
マイナポータルへ直接送付される3条件
離職票をマイナポータルで受け取る仕組みは、2025年1月20日に始まりました。 ただし、希望するだけで自動的に届くわけではありません。
厚生労働省の離職票直接送付リーフレットが示す条件は、次の3つです。
- 届け出たマイナンバーが本人の雇用保険被保険者番号と適切に紐づいている
- 離職者本人がマイナポータルと雇用保険WEBサービスの連携設定を行っている
- 事業主が離職手続きを電子申請で行っている
3条件のどれかが欠けると直接送付を前提にはできません。 表示されない場合は、自分の連携設定と会社の電子申請状況を確認します。直接送付の対象には、資格喪失確認通知書と雇用保険被保険者期間等証明票も含まれます。
出典:厚生労働省「離職票をマイナポータルで受け取るための案内」(2026年8月9日確認)。
会社への連絡が難しい場合でも、どの退職代行でも同じ対応ができるわけではありません。 弁護士・労働組合・民間事業者の違いで、通知と交渉の範囲を確認してください。
雇用保険被保険者証は会社保管なら返してもらう
雇用保険被保険者証は、被保険者番号、氏名、生年月日が記載された書類で、次の勤務先での手続きなどに使います。
発行元はハローワークです。ハローワーク名古屋南の案内では、事業所が保管して退職時に渡す場合が多いと説明しています。 自宅にある場合もあるため、手元を探してから会社へ保管状況を確認してください。
見つからなければハローワークへ再交付を相談できます。同案内では窓口は原則即日、郵送はおおむね2週間ですが、受付方法は利用する窓口へ確認してください。
出典:ハローワーク名古屋南「雇用保険被保険者証とは」(2026年8月9日確認)。
給与所得の源泉徴収票は退職日以後1か月以内
年の途中で退職した人の給与所得の源泉徴収票は、会社が退職日以後1か月以内に交付する書類です。

年内に再就職した場合の年末調整や、確定申告に使います。 e-Gov法令検索の所得税法第226条第1項は、年の途中で退職した居住者への交付期限を退職日以後1か月以内と定めています。
出典:e-Gov法令検索「所得税法」第226条第1項(2026年8月9日確認)。
退職前に送付先を確認し、届かなければ会社の給与・経理担当へ交付日と発送状況を尋ねます。 会社へ確認しても進まない場合は、所轄の税務署へ一般的な手続きを相談する方法があります。
退職所得の源泉徴収票は給与分と別の書類
退職手当等を受ける人には、給与分とは別に退職所得の源泉徴収票が交付されます。 発行元は会社で、e-Gov法令検索の所得税法第226条第2項による交付期限は退職日以後1か月以内です。
出典:e-Gov法令検索「所得税法」第226条第2項(2026年8月9日確認)。
退職手当等を受けない人へ一律で届く書類ではありません。 対象か分からない場合や給与分だけが届いた場合は、会社へ支給と交付予定を確認してください。税務上の個別判断は、税務署や税理士へ相談します。
退職証明書は請求があれば遅滞なく交付される
退職証明書は、労働者が請求した事項について、会社が退職の事実などを証明する書類です。

会社が全員へ自動交付するものではありません。
e-Gov法令検索の労働基準法第22条第1項は、労働者が退職時に証明書を請求した場合、使用者は遅滞なく交付しなければならないと定めています。 条文が挙げている証明事項は次の5つです。
- 使用期間
- 業務の種類
- その事業における地位
- 賃金
- 退職の事由(解雇の場合はその理由を含む)
同条第3項は、請求していない事項を記入してはならないと定めています。 法律上の時期は「遅滞なく」で、具体的な日数は示されていません。提出先の指定を確認して請求してください。
出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第22条第1項・第3項(2026年8月9日確認)。

希望どおりの交付を保証することはできません。進まない場合は会社へ状況を確認し、必要に応じて総合労働相談コーナー(無料)などへ相談します。 会社へ退職を伝える段階で止まっている方は、辞めたいけれど言えないときの整理と切り出し方も参考にしてください。
年金手帳は廃止後も基礎年金番号の確認に使える
年金手帳と基礎年金番号通知書の発行元は日本年金機構です。 会社が預かっている場合、退職時に確認するのは新規発行ではなく、保管されている書類の返却です。
年金手帳は2022年3月31日に廃止され、2022年4月1日から基礎年金番号通知書の発行が始まりました。 ただし、すでに年金手帳を持つ人には基礎年金番号通知書は発行されません。既存の年金手帳は、各種届出に使う書類として引き続き案内されています。
出典:日本年金機構「基礎年金番号通知書の発行」、日本年金機構「基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について」、日本年金機構「年金手帳」(いずれも2026年8月9日確認)。
自宅にある人は手元を確認し、会社へ預けていた人は返却状況を確認します。 返却の確認は会社、発行や再交付は日本年金機構、国民年金への切り替えは住所地の市区町村窓口へ早めに問い合わせてください。
未払賃金や積立金は書類一覧に混ぜない
未払賃金、積立金、保証金、貯蓄金などは「書類」ではなく、会社から支払いや返還を受ける金品です。 受け取る書類とは別に管理してください。
e-Gov法令検索の労働基準法第23条第1項は、退職時に権利者から請求があった場合、使用者は7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならないと定めています。 この7日以内は、請求後の支払い・返還に関する規定です。
出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第23条第1項(2026年8月9日確認)。
離職票や源泉徴収票には別の期限があるため、「退職に関するものはすべて7日以内」ではありません。 金額や権利関係に争いがある場合は、交渉できる主体と通知までの主体の違いも確認し、公的相談窓口や弁護士へ相談してください。
書類を待つ間も健康保険と年金の期限を確認する
退職後の健康保険・年金には期限があります。 すべての書類がそろうまで待たず、該当する窓口へ早めに確認することが大切です。

- 国民健康保険への加入手続きは、住所地の市区町村窓口で14日以内
- 国民年金第1号被保険者への種別変更は、退職日の翌日から14日以内
- 健康保険の任意継続は、資格喪失日から20日以内
出典:厚生労働省「国民健康保険の加入・脱退について」、日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」、全国健康保険協会「任意継続の加入条件」(いずれも2026年8月9日確認)。
必要書類は窓口や加入状況で異なるため、推測せず各公的機関の公式案内で確認してください。
退職日からの全体の順番は、健康保険・年金を含む退職手続きチェックリストで確認できます。 退職日と最終出社日を調整中なら、有給休暇を消化して退職する進め方も参考になります。
書類が届かないときは発行元ごとに確認する
まず送付先と会社側の処理状況を確認し、その後に書類ごとの窓口へ問い合わせます。
- 自宅の保管書類、登録住所、マイナポータルの通知を確認する
- 会社へ届出日や発送状況を確認する
- 離職票・雇用保険被保険者証はハローワークへ確認する
- 源泉徴収票は必要に応じて所轄税務署へ相談する
- 年金関係は日本年金機構、退職証明書は総合労働相談コーナー(無料)へ相談する
この順番でも解決が保証されるわけではありません。主張の食い違いや未払賃金の争いがある場合は、公的相談窓口や弁護士へ個別に相談してください。
退職代行を使っても、書類の到着確認や役所での手続きは本人に残ります。 利用前に残る作業を把握したい方は、退職代行のデメリットと業者選びの確認事項をご覧ください。
よくある質問
離職票の「10日以内」は自宅へ届く期限ですか。
いいえ。被保険者でなくなった日の翌日から10日以内は、事業主がハローワークへ資格喪失届などを提出する期限です。本人への到着期限ではないため、届かない場合は会社の届出状況を確認し、必要に応じてハローワークへ相談してください。
出典:大阪ハローワーク「従業員に関する雇用保険の各種お手続き」(2026年8月9日確認)。
給与と退職金の源泉徴収票は同じものですか。
別の書類です。給与所得の源泉徴収票と、退職手当等を受けた人に交付される退職所得の源泉徴収票は分けて確認します。いずれも該当者への交付期限は、退職日以後1か月以内と所得税法第226条に定められています。
出典:e-Gov法令検索「所得税法」第226条第1項・第2項(2026年8月9日確認)。
年金手帳が廃止されたら基礎年金番号通知書が届きますか。
すでに年金手帳を持つ人へ、基礎年金番号通知書が一律に再発行されるわけではありません。年金手帳は2022年3月31日に廃止されましたが、既存の年金手帳は各種届出に使う書類として案内されています。会社へ預けていた場合は返却状況を確認してください。
出典:日本年金機構「基礎年金番号通知書の発行」、日本年金機構「基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について」、日本年金機構「年金手帳」(いずれも2026年8月9日確認)。
退職証明書に会社が任意の情報を追加できますか。
労働基準法第22条第3項は、労働者が請求していない事項を記入してはならないと定めています。退職証明書は、労働者が請求した事項を会社が証明する書類です。提出先の指定を確認してから、必要な事項を会社へ請求してください。
出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第22条第3項(2026年8月9日確認)。
まとめ
- 書類は「退職後に発行」「会社保管なら返却」「請求して受け取る」に分ける
- 離職票の10日以内は事業主の届出期限で、本人への到着期限ではない
- 源泉徴収票は給与分と退職所得分を分け、退職証明書は必要事項を指定して請求する
- 年金手帳廃止後も既保有者へ通知書は一律再発行されない。書類待ちとは別に保険・年金の期限を確認する
この記事で参照した主な情報
- 大阪ハローワーク「従業員に関する雇用保険の各種お手続き」
- 厚生労働省「離職票をマイナポータルで受け取るための案内」
- e-Gov法令検索「所得税法」第226条
- e-Gov法令検索「労働基準法」第22条・第23条
- 日本年金機構「基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について」
- 厚生労働省「国民健康保険の加入・脱退について」
- 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」
- 全国健康保険協会「任意継続の加入条件」
制度と手続きは、2026年8月9日時点の公的機関・法令の案内をもとに整理しています。 個別の提出物、税務上の扱い、会社との紛争については、該当する公的窓口または専門家へご相談ください。